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2013 年度 実施状況報告書

東京大学創設期に収集された日本植物学草創期の標本調査

研究課題

研究課題/領域番号 24501268
研究機関東京大学

研究代表者

清水 晶子  東京大学, 総合研究博物館, 技術補佐員 (40447355)

研究分担者 池田 博  東京大学, 総合研究博物館, 准教授 (30299177)
キーワード植物分類学 / 植物標本 / タイプ標本 / データベース
研究概要

東京大学創設期(1877~1900)は日本における植物分類学研究の草創期にあたる。本草学者の伊藤圭介、東京大学教授の矢田部良吉、松村任三、松村を補佐した大久保三郎などが中心となり、分類学研究のため押し葉標本を収集・作製した。これらの標本をもとに多くの新種が日本人の手で記載され、その記載のもとになったタイプ標本やその重複品が多く含まれる。これらの標本ラベルには学名と簡単な地名が記されているのみで、採集者や採集年月日など標本として必須な情報が記されていないものも多い。しかし、標本の採集・調査の記録は研究雑誌、報告書、日記などに記されている場合も多く、標本とラベルの特徴、文献・資料に基づき、調査の時期や地域を明確にすることが可能である。日本植物分類学研究の草創期に分類学研究に用いられた標本を明らかにするため、標本情報として必要なデータの基礎を明らかにし、標本ラベルに記されていない情報を補完して、標本データベースを構築する。
東京大学植物標本室の標本から明治時代に収集された標本を台紙、ラベルなどをもとに識別し、1)矢田部良吉、松村任三、大久保三郎らの採集品 2)伊藤圭介が関与したとみられる標本、3)同定依頼のために外国に送った標本の重複品などを分けた。また、植物研究雑誌などを調査し、この時期に行われた採集旅行の記録と採集された植物目録について探索を行った。
すでにタイプ標本目録を作成または今後作成するためにタイプ標本の特定を進めているいくつかの科について、タイプ情報として必要なラベル情報の確認を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度と同様、東京大学総合研究博物館植物標本資料室に収蔵されている標本一点一点をチェックしながらの標本仕分け作業を進めている。引き続き植物研究雑誌、植物学雑誌、植物分類地理などの研究雑誌の採集記録についての調査も進めた。仕分けした標本については画像入力を行った。すでにタイプ標本リスト作成済み、また作成中の科についてはこの時期の標本について重点的に調査することとし、タイプ標本の探索も進めた。

今後の研究の推進方策

現在までに仕分けの済んでいる標本について、バラ科、ヤナギ科、タデ科などタイプ標本の整理を平行してすすめているいくつかの科について重点的にデータベース化を行っていく。その過程で、タイプ標本を判定し、タイプ情報を特定するために重要な項目、ラベルに記載された情報などを整理してデータベースを構築していく。

次年度の研究費の使用計画

標本整理と画像入力の作業時間が予定より少なかったため謝金として使用した額が少なかった。
標本整理と標本画像入力の謝金として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Lectotypification of Glaziocharis abei Akasawa (Burmanniaceae)2014

    • 著者名/発表者名
      Ikeda, H., Shimizu, A., Ogawa, M., Ibaragi, Y. & Akiyama, S.
    • 雑誌名

      Journal of Japanese Botany

      巻: 89 ページ: 177-181

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「明治十七年十二月東京大学植物園写生図」(目録)および小石川植物園所蔵木材扁額について2014

    • 著者名/発表者名
      邑田裕子、坂﨑信之、桜田通雄、東馬哲雄、邑田 仁
    • 雑誌名

      伊藤圭介日記

      巻: 19 ページ: 203-263

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公開日: 2015-05-28  

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