研究課題/領域番号 |
24501272
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
財部 香枝 中部大学, 国際関係学部, 教授 (00421256)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | スミソニアン協会 / 博物館 / 気象観測 / 自然史 / 博物学 |
研究実績の概要 |
本研究は、スミソニアン協会の博物館等、在米機関所蔵の未紹介資料(文献、標本)に基づき、アメリカの博物館や博物館学の受容過程を主題として探求するものである。受容研究を行う際、受容する側のみならず、受容をもたらす側の状況を正確に把握することが不可欠であるし、さらに、相互作用にも着目する必要があるだろう。 平成26年度は、スミソニアン気象観測法と博物館学思想との関わりを中心に研究を進めた。 1.ワシントンDCのスミソニアン協会アーカイブスにて現地調査を実施し、自然史資料および気象観測資料を同時に収集するようになったスミソニアン気象観測法を整理・検討した。続いて、同気象観測法が、開拓使、札幌農学校の御雇米国人や日本の博物館学思想に与えた影響を探究した。さらに、気象庁気象研究所主任研究員と意見交換を行った。 2.博物館学史の方法論について、引き続き、同アーカイブスの協会史部研究者と意見交換を行った。 3.平成25年度に進めたアメリカの博物館学史のうち、スミソニアン協会広報部の歴史(とりわけサイエンス・コミュニケーションの歴史)に関する研究成果を学会発表した。 4.平成25年度に、日本の博物館学史に関し、本草学/本草会とジェンダーとの関わりを検討した国際会議発表を、論文として完成させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「研究実施計画」に沿って研究を進めることができ、また、研究成果を公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、スミソニアン気象観測法についてさらに調査を進め、論文として完成させる。一方、御雇米国人の博物館学思想を整理検討する。このため、北海道およびワシントンDCのスミソニアン協会アーカイブスにて、現地調査を実施する。 博物館学史の方法論について、引き続き、同アーカイブスの協会史部研究者と意見交換を行う。 日本の博物館学史については、[伊藤]圭介文書研究会例会に毎月参加し、本草学/本草会について意見交換を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学本務の都合により、海外出張の日程を2日短縮しなければならなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
大学本務を調整し、海外出張の日程を申請時計画より2日程度長く行う。
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