本研究はモンゴルの半乾燥気候の草原において、陸面過程モデルによる水文過程の算出精度向上に必要な知見を得る事を目的としている。陸面過程モデルMATSIROのオリジナル版およびより詳細な凍土過程を組み込んだ改良版を用いてモンゴルの半乾燥草原にて計算を実施した。観測に基づいた土壌の熱水パラメータを与えたところ、正味放射量と潜熱フラックスの観測値をよく再現でき、土壌水分の再現性が向上した。さらに詳細な凍土過程を組み込んだモデルにより地中熱流量および顕熱フラックスの再現性は大幅に向上した。モンゴル草原のような季節凍土帯では土壌パラメータと凍土過程が熱水収支の再現性に重要であることが分かった。
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