研究課題/領域番号 |
24501287
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
大西 宏治 富山大学, 人文学部, 准教授 (10324443)
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研究分担者 |
廣内 大助 信州大学, 教育学部, 教授 (50424916)
西村 雄一郎 奈良女子大学, その他部局等, 准教授 (90390707)
森田 匡俊 愛知工業大学, 工学部, 研究員 (90566720)
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キーワード | 洪水ハザードマップ / 湛水深 / NHKアーカイブス / 福井水害 / 東海豪雨 |
研究概要 |
平成25年度は、時間別湛水深ハザードマップ作成のために、NHKアーカイブスを活用しながら、福井水害と東海豪雨の災害の時間による変化を調査した。特に東海豪雨ではNHKアーカイブスのデータが豊富であるために、映像資料を基にして天白川流域の野並地区と庄内川流域の西枇杷島地区の時間帯別湛水深を整理し、現地での実測調査も行った。福井水害に関しても映像資料が一定程度得られ、足羽川の決壊地点を中心に被災地域の湛水深を調査した。これらの成果をもとに、今後、時間帯別湛水深を示したハザードマップを生成できると考えられる。 また調査の副産物として、被災地域の自然災害の様子を報道関係者がどのようにとらえて報道したのかが、NHKアーカイブスの資料調査から明らかになった。そこで、報道に利用された東海豪雨災害の資料を活用しながら、災害の実態と、そのときに報道機関が切り取って報道した災害の断面の違いについて議論した。報道関係者は災害現場で取材する際、アクセスできなければ取材できないため、被災地のアクセス可能地点からのみの取材になるため、災害の実態を把握しないまま災害報道してしまう危険性があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資料の制約などが大きく、当初の予定していた地域で同じ水準ではできないことがわかり、特に福井水害に集中して時間帯別湛水深ハザードマップ作成のための居住者に対する調査を行い、東海豪雨については、NHKアーカイブス資料からとらえられるものからハザードマップを作成することに決めた。当初予定した地域のうち、富山県南砺市は時間帯別湛水深のハザードマップは作成せず、発災時と湛水のピークに関するハザードマップを作成することで研究を進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
福井水害と東海豪雨をターゲットとして調査を実施する。なお、福井水害に関しては湛水深別ハザードマップを作成するために住民に対するインタビュー調査を実施するとともに、その結果、作成されたハザードマップを利用した図上防災訓練(DIG)を実施し、時間帯別湛水深別ハザードマップの活用可能性を検討する。 東海豪雨については湛水深ハザードマップの作成と防災に関する市民団体に利用可能性をインタビュー調査する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していたデータの整理を年度末にするために文具等を購入しようとしたが、既存の物品でデータの記録や整理ができてしまったため残額が生じた。 今年度の調査データの整理を行うために利用する消耗品を購入するために利用する。
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