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奈良盆地の中西部に位置する王寺町から大和郡山市の間の，旧奈良街道の周辺地域において野外調査を行った．対象とした事象は，伝統的な建造物である，町家，蔵，地蔵と，近代的な建造物である高層建物（4階建以上のもの）である．伝統的な建造物と，近代的な建造物とでは，分布の特徴が異なり，伝統的な建造物の多くが，1922年に集落であったところに分布するのに対して，高層建物の多くは，1922年以降に市街化した地域に分布しており，特に，幹線道路沿いや鉄道の駅の周辺に多くみられた．伝統的な建造物の中でも，町家と蔵・地蔵とでは，分布が異なり，町家は，ほぼ旧奈良街道沿いにのみ分布するのに対して，蔵と地蔵は，旧奈良街道沿いにも見られるのに加えて，それ以外の1922年に集落があった地域にもみられた．以上のように，町家，蔵，地蔵，高層建物を調査することによって，地域の成り立ちを知ることができることがあきらかになった．
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