HTLV-1(Human T cell Leukemia Virus Type-I)はヒトT細胞に感染し悪性度の高い末梢血T細胞腫瘍、成人T細胞白血病(ATL)を引き起こす。我々はこれまでウイルスRNAの核外輸送を司るHTLV-1 Rexが宿主細胞のmRNA品質管理機構(NMD)を抑制しウイルスRNAを安定化することを見出した。本研究ではRexタンパク質のN末領域(X)が、NMD抑制に深い関わりを持つこと、Rexにより約9000個の遺伝子発現パターンが有意に変化することが分かった。これらの結果より、RexがX領域を介してNMDを抑制しつつ、様々な細胞内経路に影響を与えている可能性が示唆された。
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