癌の悪性化における血管新生抑制因子Vasohibi-2(VASH2)の機能解析を行った。癌細胞におけるVASH2の発現レベルは癌転移に関連するmiR-200ファミリーによって調節されること、VASH2は癌細胞の遊走・浸潤を制御すること、VASH2の細胞外分泌にはVASH2蛋白の脂質結合性が重要であること、胃癌組織ではVASH2が高発現しており、VASH2欠損によって炎症・癌細胞増殖・血管新生に関わる遺伝子の発現が低下して胃癌の発育が抑制されることを明らかにした。VASH2は血管新生促進作用だけでなく、癌細胞の形質転換や炎症反応を介して癌の悪性化を制御することを示唆している。
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