研究課題/領域番号 |
24501323
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
河野 公俊 産業医科大学, 名誉教授, 名誉教授 (00153479)
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研究分担者 |
笹栗 靖之 産業医科大学, 医学部, 教授 (60140646) [辞退]
王 克ヨン 産業医科大学, 共同利用研究センター, 准教授 (30369053)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Y-box binding protein 1 / Topoisomerase 1 / Drug resistance |
研究実績の概要 |
昨年度の研究内容YB-1の新しい会合分子TOPO1(真核細胞のDNAトポイソメラーゼ)の研究を継続し、核内YB-1がTOPO1との直接的な分子会合を介して酵素活性を促進し、CPT感受性を増強する結果を再確認し、この研究内容を論文にまとめた。YB-1の核内発現ががん患者の予後と密接にかかわることは早くから報告していた。その分子メカニズムは細胞周期関連の遺伝子発現への関与などが報告されていたが、今回のDNA複製や転写時のDNAの構造変換に関わる酵素トポイソメラーゼIと会合しその機能を促進させることが分かり、新たな分子機構を加えることが出来た。 最終年度の計画通り、胃癌、肺癌、婦人科腫瘍などの臨床試料を用いて、がん細胞と腫瘍間質細胞、血管内皮細胞でのYB-1の発現の解析も行った。その内、163例胃癌患者の外科切除標本に対しての分子病理学手法により解析を行い、YB-1のがん細胞と腫瘍新生血管内皮細胞での発現が密接に関連していること、さらに癌の進行度と分化度及び肝転移などとの相関性も見出した。YB-1の発現ががん患者の予後についての判断には有意なバイオマーカーであることを判明した。この内容についても論文にまとめ、発表された。また、2015年の日本病理学会にも発表する予定である。
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