散発性髄芽腫のマウスモデルを構築し、がん抑制遺伝子であるPatched1(Ptc1)の遺伝子型の違いが腫瘍進展に影響を及ぼす現象に注目して、Ptc1 遺伝子量の差異が腫瘍の発生だけでなく、腫瘍進展に関わる微小環境の形成においても重要な役割を果たすことを示した。遺伝子発現解析から、Ptc1(+/-)の小脳組織では免疫応答サイトカインCXCL9の発現が亢進しており、また、発生した髄芽腫組織内では、同様のCXCL10が発現亢進していることから、これらをリガンドとするCXCR3リセプターのシグナル経路活性化が、脳内免疫系のmicroglia細胞を介して、腫瘍微小環境を形成している可能性が示唆された。
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