本研究により、小脳髄芽腫は双極性の細胞形態をとる癌幹細胞から複数の樹状突起様構造を有する多極性の顆粒細胞様ニューロンまでを含む様々な分化度の細胞で構成されるヘテロな細胞集団であり、癌幹細胞が正常の小脳顆粒前駆細胞と良く似た分化段階を経て形成されることが示された。この髄芽腫細胞の分化度と一致した発現様式を示すmiRNA-Xについて、樹立した髄芽腫癌幹細胞株及びPtc1コンディショナルノックアウトマウスを用いて機能解析を行った結果、miRNA-Xが髄芽腫癌幹細胞の分化を誘導していることが示された。 以上の結果は、miRNA-Xの補充療法または発現誘導が髄芽腫癌幹細胞の根絶に有効であることを示す。
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