研究課題/領域番号 |
24501326
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
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研究分担者 |
山下 洋二 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (30420045)
伊藤 しげみ 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (80600006)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | PKM / 代謝 / ワールブルグ効果 / スプライシング / がん |
研究実績の概要 |
腫瘍細胞における代謝再プログラム化において決定的役割を果たす解糖系酵素、ピルビン酸キナーゼM(PKM; pyruvate kinase M)に関し、そのアイソフォーム変換を不可能とした細胞・マウスモデルの作製と解析を行った。平成26年度は、以下のような成果を得た; (i)前年度に樹立したPKM2(M2)-ノックイン(KI)マウスの戻し交配(C57/BL6に対して)を行い、コンジェニック化を完了した。 (ii)Pkm1-KIおよびPkm2-KIマウスから単離した各種臓器、および胎児線維芽細胞(MEF: mouse embryonic fibroblast)のメタボローム解析や細胞外フラックス解析を行った。その結果、Pkm1-KIおよびPkm2-KIのいずれもが、細胞内代謝物のレベルに広範な影響を与えること、また、細胞の好気代謝に影響を及ぼすことが明らかになった。これらKI-MEFの表現型解析により、Pkmスイッチを介した代謝制御が、細胞老化やがん化など、細胞の運命決定において重要な役割を果たすことが分かった。 (iii)PKM-KIを、活性化変異型Krasノックインマウスと交配し、得られた二重変異にCreリコンビナーゼを発現するアデノウイルスを投与して肺がんを誘導する実験を開始した。また、いくつかの化学発がん実験も開始した (iv)マウス受精卵におけるゲノム編集により、Pkm1とPkm2のいずれも欠損するマウスの作製を試みた。ヘテロ欠損マウス同士の交配結果から、ホモPkm1/2欠損マウスは、着床後極めて早い段階で致死となることが示唆された。
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