活性変異型Ｒａｓによる細胞老化を克服するがん進展機構の解明

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 24501327
• 研究機関: 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工
• 研究代表者: 上北 尚正 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, その他部局等, 准教授 (50373402)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: Ras / CDCP1 / MMP / Invasion / Metastasis / ERK

研究実績の概要

CDCP1のRasによる発現誘導の下流シグナルが明らかになっていなかったが、代表的な下流シグナルであるAKT及びERKの阻害剤等を使用した研究の結果、ERKを介したシグナルであることを証明した。さらに、RasによるCDCP1の発現上昇は、細胞老化による空洞化を抑制するだけではなく、細胞外基質分解に主要な働きを示すマトリックスメタロプロテアーゼ（MMP)群の中のMMP-2の活性化制御及びMMP-9の細胞外への輸送制御に関与している事が明らかとなり、活性変異型Rasの癌進展機構への機序の一端を明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Flottillin-1 regulates oncogenic signaling in neuroblastoma cells by regulating ALK membrane association (2014)
  • 著者名/発表者名: Tomiyama A, Uekita T et al.
  • 雑誌名: Cancer Research 巻: 74 ページ: 3790-3801
  • DOI: 10.1158/0008-5472.CAN-14-0241
  • 査読あり
• [雑誌論文] Oncogenic Ras/ERK signaling activates CDCP1 to promote tumor invasion and metastasis (2014)
  • 著者名/発表者名: Uekita T, Fujii S et al.
  • 雑誌名: Molecular Cancer Research 巻: 12 ページ: 1449-1459
  • DOI: 10.1158/1541-7786.MCR-13-0587
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [学会発表] CDCP1細胞外ドメインは、同種多量体形成によってがん細胞の運動能を促進する。 (2014)
  • 著者名/発表者名: 澤山忠司、上北尚正
  • 学会等名: 第37回分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2014-11-25 – 2014-11-27
• [学会発表] Oncogenic Ras-ERK signaling activates CDCP1 pathway to promote tumor invasion and metastasis (2014)
  • 著者名/発表者名: 上北尚正、堺隆一
  • 学会等名: 第73回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2014-09-25 – 2014-09-27
• [学会発表] Analysis of anchorage-independent growth signaling in small cell lung cancer (SCLC) (2014)
  • 著者名/発表者名: 上北尚正、堺隆一
  • 学会等名: 第23回日本がん転移学会学術集会・総会
  • 発表場所: 金沢
  • 年月日: 2014-07-10 – 2014-07-11