研究課題
1.誘導温熱療法併用樹状細胞腫瘍内局注療法の開発申請者はこれまで食道癌細胞株を用いた動物実験において、放射線照射によるヒートショックプロテイン(HSP)の発現増強と、それによる免疫増強に成功した。今回、より汎用性の高い温熱療法を用いることでより効果的にHSP発現を増強させ、さらに強力な免疫療法の開発に成功した。担癌マウスモデルにおいて、樹状細胞腫瘍内局注による免疫療法単独群における抗腫瘍効果と、温熱療法単独を加えた群における抗腫瘍効果を比較した結果、温熱療法を併用することで樹状細胞局注療法の効果が増強されることが確認できた。これらの現象の理論的裏付けとして分子生物学的評価を行った。Abscpal Effectの中心的役割であるgp96が誘導温熱療法によってどのように変化するかを免疫染色、ウェスタンブロットにて確認したところ、発現の増強が観られた。このことから、温熱療法+樹状細胞腫瘍内局注療法は有用な免疫療法の手段になることが示された。2.ICG-リポソームによる光線力学的温熱療法の開発さらに、特に本研究で独創的と考えている点は、温熱療法として光線力学的に発熱量増強効果をもつICGをナノ粒子表面膜に埋め込んだICG-Liposome(ICG-L)の開発である。ICG-Lの水溶液に近赤外光を照射すると、濃度依存的に温度上昇がみられた。また、ICG-Lはナノ粒子のEPR効果によって腫瘍に特異的に集積することが確認できた。さらに、in vivoでの抗腫瘍効果について検討したところ、ICG-Lを投与した腫瘍が近赤外光によって強い抗腫瘍効果がみられた。
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