研究課題
①がん免疫治療の臨床試験において、免疫動態の解析と治療の効果を予測するバイオマーカーの探索を行った。癌性腹膜炎患者に対して、γδT細胞を腹腔内に投与し(試験名:腹水貯留胃癌に対するγδT細胞治療UMIN-CTR:UMIN000004130)その結果を報告した(Cancer Med. 2014;3(2):362-75.)。最終年度は、転移性腎がん患者に対して、スニチニブと樹状細胞ワクチン治療の併用治療の臨床試験(試験名:腎細胞がんに対する樹状細胞ワクチン治療の安全性と有効性の評価UMIN-CTR:UMIN000002136)の検体を詳細に解析し、スニチニブにより末梢血中の骨髄性抑制細胞や抑制性T細胞が減少し、腫瘍反応性のT細胞が誘導されることを報告した(J Immunother Cancer. 2014;19;2:30)。②B16メラノーマ細胞を皮下に接種した担癌マウスに対して、CTLを尾静脈から投与しCTL治療モデルを構築した。このモデルマウスを用いて腫瘍内のCTLのみを抗CD137抗体で活性化することで、有害事象の発現を抑制し、抗腫瘍効果を増強することに成功した(J Immunother. 2012 Jul;35(6):460-72)。腫瘍内に浸潤したCTLは、NO、ROS、Arginase等の抑制性分子を発現するCD11b+Gr-1+の骨髄性抑制細胞(MDSC)を誘導することを明らかにした(Int J Cancer. 2014;15;134(8):1810-22.)、最終年度は、CTLは腫瘍を傷害するだけでなくIFN-γの作用により腫瘍の細胞周期を停止させることで、腫瘍の増殖を抑制していた(Cancer Immunol Res. 2015;3(1):26-36.)①②の課題において、臨床試験と動物モデルを通じて、がん免疫治療における免疫制御の解明に貢献できた。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 3件)
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巻: Epub ahead of print ページ: 未定
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