研究課題
慢性骨髄性白血病(CML)におけるBCR-ABL遺伝子点突然変異を感度と測定できる遺伝子変異の異なるPCR-インベーダー法とダイレクトシーケンス法を用いて検出し、変異クローンの推移と治療効果の相関を解析することで変異クローン検出方法の標準化を確立する。我々は、25名のCML患者(未治療CML 19例、チロシンキナーゼ阻害剤抵抗例6例)に対してPCR-インベーダー法とダイレクトシーケンス法を用いて33検体のBCR-ABL1遺伝子変異解析を施行した。未治療CML1例、TKI抵抗性CML4例でBCR-ABL1遺伝子変異が検出された。遺伝子変異の詳細は、exon 8/9 35-bp insertion (BCR-ABL135INS mutation) を未治療CML (n=1)とimatinib抵抗性CML(n=2)で、Y253H変異をnilotinib抵抗性CMLで、T315I変異をbosutinib抵抗性CMLで検出した。BCR-ABL1遺伝子点突然変異の推移と治療効果の相関を解析したところ、BCR-ABL135INS mutationを有するCMLは、imatinibに抵抗性を示すもののnilotinibに対して良好な治療反応性が示された。PCR-インベーダー法は、ダイレクトシーケンス法と同様に、BCR-ABL1遺伝子変異を検出するのに有用であるが、BCR-ABL 135INS mutationは検出できないため注意が必要である。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Cancer Science
巻: 105(1) ページ: 97-104
doi: 10.1111/cas.12319