研究課題
京レベルの抗体提示ファージライブラリーとしてVH・VLそれぞれ10の9乗レベルのscFv抗体ライブラリーを作製したが、欠失クローンが約40%ほど含まれるなどスクリーニングシステムの確認中に不具合があることが判明した。そこでこれらの欠点を克服するため、超可変領域の組み込み法からベクターまで大幅な再設計を行い、ライブラリー作製用プラスミドベクターおよび多量の高効率コンピテントセルを調製した。現在実質10の18乗を超えるヒトFab抗体提示ファージライブラリーを作製中である。また小規模ライブラリーでスクリーニングシステムのチューニングを行っている。組換え抗EGFR抗体の調製に関して、レンチウィルスによる多重感染により高産生細胞を作製し、これにより数mgの組換え抗体の調製に成功した。これらを使用し今年度は抗体が誘導する癌細胞のアポトーシスにメカニズムを探る。さらに新規の抗IGFR抗体も同様に調製したので、併用効果を確認し、細胞内シグナルへの影響を評価する。
4: 遅れている
個人的な理由ではあるが、昨年度は左脚大腿骨腫瘍の治療で十分な研究時間が取れなかったため。現在は松葉杖が必要な状態であるが職場復帰したので、遅れを取り戻したい。
(i)抗がん活性を有する既得抗体の作用機序解明:ようやく材料が揃ったので昨年に引き続き、主要なEGFR下流のシ細胞障害性を引き起こす主要なパスウェイを探す。すなわち、ERK,Akt以外のパスウェイのシグナルを調べて行く。またEGFレセプターはホモダイマーだけでなくerbB2-4とヘテロダイマーを形成する。そこ使用する癌細胞株を増やし、そのヘテロダイマー化阻害活性の有無および阻害による増殖阻害・アポトーシスの誘導が生じるか細胞内シグナルからも検討する。抗IGFレセプター抗体も十分量調製できたので、抗EGFR抗体の併用効果を検証する。(ii)京レベル以上のレパートリーを有する抗体ライブラリーシステム:早急に新システムの抗体ライブラリーを完成させ研究計画に沿ったスクリーニングを実施する。
病気療養のため実質的な研究実施期間が短かったため。各種試薬購入費に充てる。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Journal of Surgical Research
巻: S0022-4804 ページ: 00188, 00197
10.1016/j.jss.2014.02.047
Experimental Cell Research
巻: 319 ページ: 1146, 1155
10.1016/j.yexcr.2013.03.002