本研究では「小細胞肺がん(SCLC)は末梢型肺がんである」という仮説を検証するために、SCLC96例のCT画像と臨床データを用いた詳細な検討を行った。その結果、SCLCの75%は亜区域気管支以降の末梢から発生し、末梢型SCLCはTTF-1の発現と有意な相関を認め、SCLCが末梢から発生する癌であることが明らかとなった。また、末梢型は中枢型よりも有意に予後不良な癌であることから、SCLCの発生部位が予後予測因子となる可能性が示唆された。遺伝子発現解析でも両者は癌の性質が異なる群として層別化できることが示されTTF-1を発現しているSCLCではTTF-1が癌の増殖に関わっている可能性が示唆された。
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