研究概要 |
平成25年度は、F-18標識3'-Deoxy-3'-fluorothymidine(FLT)とC-14標識2-deoxy-2-fluoro-D-glucose(FDG), acetate, glutamineの組み合わせ、および、F-18標識FDGとC-14標識acetate, glutamineの組み合わせでのトレーサーの体内分布実験において、それぞれ、24年度までに実施できていなかった腫瘍についてのデータ収集を進めた。まだ解析に耐えるだけのデータが得られていないトレーサーと腫瘍の組み合わせが残っているものの、大方のデータが出そろい、いくつかの傾向が見えてきている。 また、腫瘍内分布の比較についても、それぞれのトレーサーと腫瘍の組み合わせについて、データ収集を開始した。まだ実施数が少ないため信頼性は低いが、腫瘍内分布についてもいくつかの傾向が見えてきている。 これまででは、どちらもがんの増殖を反映するとされるFLTとFDGの腫瘍取り込み量の相関が弱く、さらに、両者の腫瘍内分布も重ならないように見えること、また、例外となる腫瘍もあるものの、FLTとacetateでは、腫瘍への取り込みについては相関が弱いにもかかわらず、腫瘍内の集積には重なる部分が多いこと、などの興味深い特徴が見えてきている。このほか、FDGとglutamine、FLTとglutamineの組み合わせでは、腫瘍への集積量、腫瘍内分布とも、腫瘍の種類により、傾向が大きく異なるようであった。 今後さらにデータの集積,解析をすすめ、結果を確実なものにしてきたいと考えている。
|