研究実績の概要 |
平成26年度は、F-18標識3'-Deoxy-3'-fluorothymidine(FLT)とC-14標識2-deoxy-2-fluoro-D-glucose(FDG), acetate, glutamineの組み合わせ、および、F-18標識FDGとC-14標識acetate, glutamineの組み合わせでのトレーサーの体内分布実験について、24および25 年度とあわせ、HT29, H441, H520, U87MGの4種類の腫瘍についてのデータ収集を終了した。また、腫瘍内分布の比較についても、それぞれのトレーサーと腫瘍の組み合わせについて、データ収集を行った。 2つの標識体で腫瘍への取り込み量に有意な正の相関が見られたのは、FDGとグルタミン,FLTと酢酸であり、他の組み合わせでは2つ間に正の相関は認められなかった。さらに、FDGとグルタミン,FLTと酢酸の組み合わせでは腫瘍内の分布パターンにも類似が見られたが、他の組み合わせでは異なるパターンが目立った。FDG, FLT, グルタミン,酢酸はいずれもがんの増殖を反映すると考えられてはいるが、腫瘍への取り込みや腫瘍内分布は必ずしも同じ傾向を示すものではなく、その解釈には十分な注意が必要と考えられた。
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