研究課題/領域番号 |
24501351
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
五島 典 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70201499)
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研究分担者 |
木村 宏 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30303621)
鎌倉 真紀 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (80437003) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 遺伝子治療 / ウイルス / アンプリコン / 癌 |
研究実績の概要 |
昨年度まで、GM-CSFを組み込んだHSVアンプリコンを用いて、卵巣腹膜播種モデルマウスにおける抗腫瘍効果と、治療により誘導された抗腫瘍免疫について解析をしてきた。さらなる抗腫瘍効果を得るために、本年度は抗腫瘍免疫を誘導するIL2を組み込んだHSVアンプリコンを作製し(IL2アンプリコン)、2種類のメラノーマ細胞株による両背部皮下腫瘍モデルマウスを用いてIL2アンプリコンによる抗腫瘍効果を検討した。 B16 melanoma細胞で両背部皮下腫瘍モデルを作製し、腫瘍径が約5mmに達した時から週2回、合計8回右側に腫瘍にのみHF10、IL2アンプリコン+HF10、PBSを接種した。PBS投与群が全匹死亡した46日後の生存率は、PBS投与群に比べHF10治療群(p=0.026)、IL2アンプリコン治療群(p=0.032)共に有意な延命効果が認められた。60日後の生存率はHF治療群(p=0.21)よりもIL2アンプリコン治療群(p=0.056)の方がより高い延命効果が認められた。IL2アンプリコン+HF10治療群は接種側腫瘍に対して有意な腫瘍抑制効果を認めたが、非治療側への抑制効果は認められなかった。 次にClone M3細胞で両背部皮下腫瘍モデルを作製し、同様に治療を行った。治療側ではHF10治療群、IL2アンプリコン+HF10治療群共にPBS接種群に比べ有意に腫瘍を抑制し、非治療側においてもIL2アンプリコン治療群でHF10治療群には見られない抑制傾向が認められた。生存期間はHF10治療群、IL2アンプリコン群共にPBS群に比べ有意な延長が認められた。 このように2種類のメラノーマ腫瘍モデルを用いてIL2アンプリコン+HF10による治療はHF10単独による治療よりもさらに効果的な抗腫瘍効果が得られることが示された。
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