研究課題/領域番号 |
24501355
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
板野 理 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90265827)
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研究分担者 |
松田 祐子 慶應義塾大学, 医学部, その他 (90534537)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ステント / 超音波 |
研究概要 |
悪性腫瘍による閉塞性黄疸に対しての金属性ステントを用いた姑息的減黄術は、化学療法の発達により長期生存が得られる症例もあり、tumor ingrowthによるステント閉塞の問題が増加している。二酸化チタンは超音波を照射することによりフリーラジカルが発生することが報告されており、本研究は、胆管ステントに用いられている金属製ステントがチタン合金製であることに着目し、ラジカルの産生を利用したステント内再閉塞を予防・改善するための無侵襲的治療法の確立を目的とした。 ラジカル生成の評価(in vitro試験) はAPF法にて行った。チタン合金ステントに対し1000 kHzの超音波を、種々の強度0 - 5 W/cm2にて所定時間照射し、生成したラジカルの量を測定した。細胞に対する傷害効果の評価(in vitro試験)は、モデル培養細胞として、類上皮がん細胞株A431 を用いた。チタン合金製ステント上で培養し、1000 kHzの超音波を、種々の強度0 - 5 W/cm2にて所定時間照射した後、細胞の死滅率を取りパンブルー法にて測定した。悪性腫瘍ステントモデル動物は免疫不全マウス(BALB/ cAJcl-nu/nu)の背部皮下に固形腫瘍細胞(A431 cells、1.0x106)を注入し、ここに金属ステントを埋め込み、腫瘍の成長に伴ったステント内へのがん細胞が進展及びステント閉塞を観察した。予備実験では,超音波照射によりステントへのingrowthが抑制されているのが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vitro実験が終了し、動物モデルでの結果も一部出ている。
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今後の研究の推進方策 |
悪性腫瘍による消化管狭窄モデルは、同じ部位に一か所だけ狭窄が起きること、ステントが挿入可能な径の部位であることが必要である。Gan mouse (K19-Wnt1/C2mEマウス、Oshima H et al. Gastroenterology. 2011;140:596-607.)は,100%の確立で胃癌が発生し、その狭窄による摂食障害にて約60週で死に至る。生後30週目のGan mouseの腫瘍部位にステントを挿入し、超音波照射による再狭窄抑制効果、さらには体重、生存期間への影響を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
試薬・消耗品費、動物飼育費、実験補助員給与として使用予定である。
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