研究課題/領域番号 |
24501359
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡本 勇 九州大学, 大学病院, 研究員 (10411597)
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研究分担者 |
中川 和彦 近畿大学, 医学部, 教授 (40298964)
西尾 和人 近畿大学, 医学部, 教授 (10208134)
坂井 和子 近畿大学, 医学部, 助教 (20580559)
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キーワード | 非小細胞肺癌 / 分子標的治療 / EGFR遺伝子変異 / EML4-ALK融合遺伝子 |
研究概要 |
肺癌は我が国においても悪性新生物による死亡の第1位であり治療成績の改善が望まれている。近年の癌分子生物学研究の進歩を背景として、EGFR遺伝子変異やEML4-ALK融合遺伝子などの特定の分子異常をもつ進行非小細胞肺癌に対する分子標的治療薬の導入が劇的に治療成績を改善している。EML4-ALK融合遺伝子は非小細胞肺癌の約3-5%に存在するが、現在実地臨床で行われているEML4-ALK融合遺伝子の検出はホルマリン固定パラフィン包埋検体に対する免疫染色法とFISH法が用いられ、その感度、判定法には限界があり、より正確で感度の高い診断法が求められている。われわれはPCR法をベースとしたMassARRAYシステムを応用しEML4-ALK融合遺伝子の高感度検出法を確立し報告した(Journal of Thoracic Oncology 2012; 7: 913-918, Annals of Oncology 2012;23:2931-2936)。 EML4-ALK融合遺伝子の発見に引き続きROS1やRET融合遺伝子が非小細胞肺癌の1-2%に存在することが見出され、これらの分子異常を標的とした治療薬の開発も進んでいる。近い将来の実地臨床においては進行非小細胞肺癌患者より採取される小さな組織検体より数多くの遺伝子異常を検索しなくてはならなくなる。我々はMassARRAYの技術開発を進め、ALK, ROS1,RETを同時に測定出来るマルチプレックス解析法(LungFusion Panel)を確立し、ホルマリン固定パラフィン包埋された200検体以上の解析を実施し、そのfeasibilityを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
気管支鏡検査で得られた比較的少量の非小細胞肺癌組織ホルマリン固定パラフィン包埋検体から抽出された核酸を用いてMassARRAYを用いた主要な癌遺伝子及び癌抑制遺伝子の半網羅的体細胞変異解析は予定通り終了している。EML4-ALK発現解析に加え、新たに発見されたROS1, RET融合遺伝子の発現解析のシステムも確立させ、これら融合遺伝子の発現解析もほぼ終了している。
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今後の研究の推進方策 |
進行非小細胞肺癌においては一般に生体組織の採取は困難であり、微量なホルマリン固定パラフィン包埋検体を用いた遺伝子診断が臨床上望まれている。我々のMassARRAYシステムを用いた成果は今後の診断技術の改善に寄与するものと考えられる。すでに解析を進めている、MassARRYを用いたLungCarta Panelによる癌遺伝子及び癌抑制遺伝子の半網羅的体細胞変異解析とLungFusion Panelを用いた ALK, ROS1,RET融合遺伝子の解析結果をまとめ、臨床背景因子や治療効果などの臨床データとの相関の解析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
遺伝子解析に時間を要したため、臨床データとの相関解析を26年度に予定しているため。 測定された遺伝子変異測定パネルならびに各種融合遺伝子の発現結果をもとに、これら遺伝子異常の発生頻度ならび、臨床背景因子、予後との相関解析を進める。
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