研究課題/領域番号 |
24501361
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
藤盛 好啓 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (20229058)
|
研究分担者 |
江口 良二 兵庫医科大学, 医学部, ポストドクター (00461088)
久保 秀司 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10441320)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | Srcファミリーキナーゼ / Fyn / Lyn / 中皮腫 / ダサチニブ |
研究概要 |
本研究の目的である「Srcファミリーキナーゼの悪性腫瘍進展での役割の解明と治療への応用」において、初年度である本年は「Srcファミリーキナーゼ(SFK)阻害剤による中皮腫細胞のアポトーシス誘導機序の解明」を計画し実施し以下の結果を得た。 Srcファミリーキナーゼ(SFK)阻害剤(PP2、ダサチニブ)により中皮腫細胞株H28にアポトーシスが誘導された。中皮腫細胞株H28のSrcファミリーキナーゼ発現を調べるとFyn欠損がみられた。SFK阻害剤は、Fyn欠損H28細胞においてLynの発現を抑制し、caspase-8を介してアポトーシスを誘導していた。Fyn非欠損中皮腫細胞株NCI-H2052やACC-MESO-4では、siRNAを用いてFynを抑制するとSrcファミリーキナーゼ(SFK)阻害剤に感受性となった。さらに、Fyn非欠損中皮腫細胞株NCI-H2052やACC-MESO-4にsiRNAを用いてFynとLynを同時に抑制するとcaspase-8を介してアポトーシスが誘導された。Srcファミリーキナーゼ(SFK)阻害剤による中皮腫細胞においては、FynとLynを同時に抑制されることによりアポトーシスが誘導されると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の計画の多くを終え学会発表を行うとともに、論文として1報報告できた。
|
今後の研究の推進方策 |
Srcファミリーキナーゼ(SFK)阻害剤による中皮腫細胞のスフェロイド形成抑制およびアポトーシス誘導の機序の解析を行う
|
次年度の研究費の使用計画 |
本年度は予備検討が十分なされていたため、効果的に研究がすすみ、予定より研究費の使用が少なく、次年度使用額(繰越額)が生じた。次年度は、すらに進んでスフェロイド形成系を用いた検討を行う予定で、研究費は主として研究遂行に必要な消耗品を購入する。
|