悪性の脳腫瘍(グリオーマ)は治療効果や予後が悪く、平均生存期間は1年程しかありません。故に、グリオーマに対する新しい薬剤の開発が望まれております。近年、がんの元になるがん幹細胞の存在が明らかとなっております。我々は、脳腫瘍組織から単離・培養して樹立したがん幹細胞を死滅させる能力を持つ化合物を探索することが新規な抗がん剤の開発に繋がると考え、静岡県環境衛生科学研究所の化合物ライブラリーよりがん幹細胞に対して効果のある化合物を探索した結果、5つの有望化合物を見出した。今後は、開発化合物やその周辺化合物の薬効評価、安全性試験及び知的財産権の確保とともに、新しい治療薬としての可能性を追求したい。
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