研究課題
本研究は,各地のSKYNET(http://atmos.cr.chiba-u.ac.jp/)サイトで計測しているエアロゾルの光学的厚さ(AOT)や単一散乱アルベド(SSA)などの精度向上を図り,再解析を行うことが目標である.従来研究から,AOTは精度よく推定されているのに対して,SSAが過大評価傾向であることが指摘されており,本研究の中でも他の計測手法(遮蔽バンド付き全天分光日射計など)を用いて明らかにしてきた.SSAの過大評価は,AOTの大きさに依存して,地球-大気系の熱収支に大きな影響を与える.この誤差要因を,解析手法及び観測手法に起因するものの双方から検討した.前者では,現在の標準解析ソフトウェアSKYRAD.pack Ver. 4.2の詳細検討が実施された.粗大粒子(coarse particle mode)の取り扱いの違いや非球形粒子の影響を加味した改良版が開発されており,本研究以前から実施された(Ver. 4.7及びVer. 5)ものを含めて再解析が試行された.一方,機材自身に由来するものとして,立体視野角(SVA)の推定誤差を検討した. SVAの精度は,AOTと異なりSSA推定に直接影響する.このため,類似の観測を行うAERONETとの比較を,NASA/GSFCの協力を得て,当該機関が所有する積分球を用いて実施した.その結果,波長によって多少変動するが,概ね2-4%程度SKYNETのSVAが小さく推定されていることが明らかとなった.こうしたことから,SVA推定誤差を小さくするための解析手法が新たに提案され,より高精度のエアロゾルパラメータの推定が可能となった.試行中の再解析にこの結果を反映させるため,過去のデータも含めてデータ前処理に関する検討を行い,SSAの改善を確認した.
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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http://atmos2.cr.chiba-u.jp/skynet/data.html