リン利用性が低い土壌では、土壌微生物は多くのリンを獲得するために、炭素獲得酵素よりもリン獲得酵素に相対的に多くの資源を配分していることが判明した。供試土壌では、土壌中リン利用性が低い場合には、ホスファターゼ生産能を有する一部の微生物種が優占し、それらが盛んにホスファターゼを生産している可能性が示された。また本研究により、炭素獲得酵素としてβ-D-グルコシダーゼ、リン獲得酵素として酸性あるいはアルカリホスファターゼを代表させ、その比を算出することで、土壌中リンの生物利用性を化学的抽出法に依らず推定できることが示された。
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