南極大陸はほとんどが氷床で覆われており、氷のない陸地は大陸全体の2-3%程とされている。そこは、低温、乾燥という厳しい環境のために、生物の多様性・現存量とも少なく、シンプルな生態系となっている。その生態系の構造や機能の類似性や異質性を明らかにすることを目的とした。水の存在する流域では、地衣類は同一種が広く分布していたのに対して、コケや菌類は場所により異なる種が存在し、分散が制限されている可能性が示唆された。狭いエリアでは、炭素安定同位体比と窒素安定同位体比に一定の関係が認められたことから、それぞれの場所毎にあたかも独立した生態系の構造と機能を有している可能性が示唆された。
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