研究概要 |
本研究は宍道湖産ピコシアノバクテリア等の大量培養方法を確立し、培養株の種名の確定やその応用研究を目的としている。平成25年度の概要を以下に記す。 1)藍藻Synechocystis sp., Microcystis ichthyoblabe, Coelosphaerium kuetzingianum, 珪藻Thalassiosira pseudonana, Cyclotella atomus, 緑藻Pseudodictyosphaerium minusculum, Monoraphidium circinaleについて、20℃、12時間:12時間明暗周期の条件でIMK-SP培地(‰)200mlを含む三角フラスコで、静置培養を行い、十分な増殖を確認した。なお、C. kuetzingianumのみCA培地を用いた。その試料をGFFフィルターで濾過し、それぞれの培養株についてカロテノイドの組成と細胞あたりのクロロフィルa量(静岡県立大学、谷共同)とシジミの給餌実験の可能性を明らかにするために炭素と窒素同位体比(京都大学、笠井共同)を求めた。2)シジミの餌に供するために藍藻Synechocystis sp.について4リットルの培養器で大量培養を試み、約1000万 cells/mlまで増殖させることができた。3)Synechocystis sp.とT. pseudonana, P. minusculumの三種類を島根県水産技術センターに分譲し,シジミの餌として大量培養の方法を共同で確立し,笠井氏と共同で餌としての有効性を調べる実験を行った。3種の中では珪藻のT. pseudonanaが餌として最も有効であった。4)Synechocystis sp.は顕微鏡観察で楕円体と球体が混在していることから複数種が混ざっている可能性があり、国立環境研究所に依頼し、クローン化する共同研究を開始した。
|