レジオネラ肺炎の主原因Legionella pneumophila SG1について疫学調査を実施した。その結果、臨床株と環境株では疫学的特徴が相違し、特に本邦に特徴的な様相が、臨床分離株で最も優勢なSG1 Benidorm系subgroupが、冷却塔水分離株にはなく、温泉水分離株では優勢なことで、このことが本邦の主な市中レジオネラ感染が温泉施設で生じる事実と関連すると結論づけた。また菌株特異的因子Lvh typeIVA SSおよび65kb pathogenic island(PI)の保有率が環境分離株、特に冷却塔水分離株で顕著に高く、さらに65kbPIが塩素耐性に寄与することも明らかにした。
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