研究課題/領域番号 |
24510040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 石川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
和田 匡司 石川工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (00413766)
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研究分担者 |
川除 佳和 石川工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (90552547)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | PM2.5 / 固定発生源 / 排ガス測定 / バーチャルインパクター |
研究概要 |
近年、我が国でも大気中PM2.5の環境基準が新設された。固定発生源からのPM2.5排出濃度の測定法について規格がなく、ISO/TC146で議論がなされ、これまでの申請者らの研究によりバーチャルインパクタ法が国際規格化された。一方で、解決すべき問題がいくつかあることも分かっている。最も重要な課題は、理想的な環境下での分離性能は保証されているものの、実プラントでの測定になると十分な分離精度を発揮できないケースがあることであった。そこで本研究では排ガス条件をリアルタイムにフィードバックして自動的に吸引条件を最適化できるシステムの開発することにより分級性能低下問題の解決を目指す。今年度は「自動吸引流量管理システム」の試作機を設計・制作に取り組んだ。 (1) 自動吸引流量管理システムの設計・製作 バーチャルインパクタはその仕組みから、微妙な吸引流量の誤差が分級精度に影響する。変動する実排ガス中で理想吸引流量を維持させるため、煙道内を常時監視しながらデータを取り込み、吸引流量を自動調整するシステムを設計した。①煙道内条件を測定し、信号として入力されたデータをPCに取り込み、演算処理をしてから制御信号として吐き出し、マスフローコントローラを制御するシステムを試作した。②煙道内条件測定センサとして最適なセンサを理論的・実験的に選出した。 (2) モデルエアロゾルによる運転試験 システムの作動確認・改良を行い、本システム導入による効果について評価検討する。①モデルエアロゾル(JIS10種フライアッシュ)を発生できる模擬煙道装置の組み上げ、調整を行った。煙道内流速5~20m/s、粉じん濃度1~100㎎/m3の排ガスを模擬できるようになった。②PM2.5測定を行った。第一の目的であったシステムの正常作動確認を達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定であった吸引流量を自動で調節する部分のシステムは試作システムが完成した。それを評価するのに、モデル排ガス・実排ガスを予定するとあったが、実排ガスについては実現できなかった。実排ガス測定は今年度以降に実施。
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今後の研究の推進方策 |
続いて吸引ノズル口径可変システムの設計・製作に取り組む。 排ガス流速に対して等速吸引をする必要があり、バーチャルインパクタの場合、吸引ノズルの径を変えて対応する必要がある。変動する実排ガス中で等速吸引を維持させるため、煙道内の条件を常時監視しながらそのデータを取り込み、自動で吸引ノズルの口径を調整するシステムを設計する。ばいじん測定に使われる口径可変システムをアレンジして用いる。吸引ノズルの調整はちょうど紙を丸めてきつく絞れば穴が小さくなるように薄い金属プレートを巻いた形にし、チェーンにより絞り量により口径調整する仕組みにする予定。設計後は外注により試作し、モデルエアロゾル・模擬排ガスを用いた運転試験を行い作動確認・改良を行いつつ、本システム導入による効果について評価検討し完成を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
吸引ノズル口径可変システムの設計に必要となる部品・製作費に使用する予定。また、実験に必要な消耗品類(標準粉体、フィルタなど)も予定している。
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