研究課題/領域番号 |
24510040
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研究機関 | 石川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
和田 匡司 石川工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (00413766)
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研究分担者 |
川除 佳和 石川工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (90552547)
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キーワード | PM2.5 / 固定発生源 / 排ガス測定 / バーチャルインパクター |
研究概要 |
近年、我が国でも大気中PM2.5の環境基準が新設された。固定発生源からのPM2.5排出濃度の測定法についてバーチャルインパクタ法が国際規格化された。一方で、解決すべき問題がいくつかあることも分かっている。最も重要な課題は、理想的な環境下での分離性能は保証されているものの、実プラントでの測定になると十分な分離精度を発揮できないケースがあることであった。そこで本研究では排ガス条件をリアルタイムにフィードバックして自動的に吸引条件を最適化できるシステムの開発することにより分級性能低下問題の解決を目指す。 本年度は吸引ノズル口径可変システムの設計・製作に取り組んだ。バーチャルインパクタの場合、吸引ノズルの径を変えて対応する必要がある。変動する実排ガス中で等速吸引を維持させるため、煙道内の条件を常時監視しながらそのデータを取り込み、自動で吸引ノズルの口径を調整するシステムを設計した。吸引ノズルの調整薄い金属プレートを巻いた形にし、チェーンにより絞り量により口径調整する仕組みとした。試作品を作成し、モデルエアロゾルを用いた運転試験を行い作動確認・改良を行い本システム導入による効果について検討した。ソフト面では煙道内条件モニタリング環境整備について取り組んだ。自動制御について当初の予定以上に汎用性の高い環境整備に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度予定の吸引ノズル口径可変システムの試作品は完成した。昨年度、試験用施設の整備が間に合わず、保留となっていた実排ガスを用いての吸引流量自動調整システムの評価は今年度行うことができた。口径可変システムの実排ガスを用いての評価はスケジュール上、次年度に繰り越した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は自動吸引流量管理システム、吸引ノズル口径可変システムを組み合わせ、自動吸引条件最適化システムを製作する。更に、実稼動のプラントでPM2.5測定を行い作動確認する(測定協力実績・見込みのある石炭燃焼プラント・廃棄物処理場を予定)。また、測定はこれまでのアナログ流量調整のものとパラレルで行い、本システム導入による効果について評価検討する。更に、現場での問題点や改善すべき点の調査を行うとともに、プラントの種類による影響(排ガス種類・ダスト濃度など)を検討する。以上の道筋で最終的に自動吸引条件最適化システムの完成を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた試験の遅れに伴う繰り越しである。試験消耗品として計上していた分。 次年度に繰り越した試験の消耗品費として活用する予定である。
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