研究課題/領域番号 |
24510043
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
山内 正剛 独立行政法人放射線医学総合研究所, 研究基盤センター, 上席研究員 (00260240)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 環境標準生物 / 初代細胞培養 / 実験動物 / 淡水魚 / 放射線影響 / 福島県いわき市 / 長期生物影響 / コイ目 |
研究概要 |
福島県いわき市内において試料の採集を実施し、コイ、フナ、タナゴ、ヨシノボリ、ドジョウ、カダヤシ、ブラックバス、ブルーギル等の個体を捕集した。外来生物法により生体の移動や飼育が禁止されているカダヤシ、ブラックバス、ブルーギルについては、採取現場において頸椎を切断し、死亡を確認したうえで氷水中に浸漬し、研究室に持ち帰り、初代細胞培養に供した。その他の魚種については、生息水域ごとに現地の水を用いて、堅牢なビニル袋に酸素封入して研究室に持ち帰り、飼育ならびに初代細胞培養に供した。節足動物については生体の捕獲に成功しなかった。 初代細胞培養は、コイ、フナ、タナゴ、ドジョウについては成功したが、ヨシノボリ、カダヤシ、ブラックバス、ブルーギルについては成功しなかった。 また、われわれはエアレーションと水循環を組み合わせる従来法による魚の飼育方法を改良し、水草の繁茂による水質浄化と酸素供給を目指す新たな飼育方法を確立しようとしている。コイヘルペス等のウイルス汚染が懸念される自然環境から採取した淡水魚を同一施設内において飼育する際には、エアレーションや水循環によるエアロゾルの発生を抑え、ウイルス伝播の可能性がより低い半閉鎖系として個別に飼育する必要があると考えるからである。そこで、より自然環境に近い環境における淡水魚の繁殖に先進的な英国の養魚施設を訪問調査することにより、飼育環境や魚種に応じて水草の種類を適宜変更する等の様々なノウハウを習得することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
淡水魚の捕獲や、新たな飼育方法の開発、さらには初代細胞培養方法の開発においては、当初の計画以上に進展しているが、節足動物の捕獲に成功しなかったため、節足動物については飼育も細胞培養も試みていない現状であるため、平均点として「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、福島県いわき市内における新たな魚種の捕獲を試みるとともに、千葉県内においても同種の魚種の捕獲を試み、飼育繁殖や細胞培養における対照実験を実施する予定である。 また、淡水魚の培養細胞を用いた毒性試験の手法を習得するため、カナダ国ビクトリア大学における実習コースに参加したいと考えている。 さらに、培養細胞を用いた放射線感受性試験も開始したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、捕獲や細胞培養等に必要な消耗品に約30万円、魚や細胞の維持管理に必要な人件費に約30万円、国内出張や海外出張の旅費に約60万円を使用する計画である。
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