研究課題/領域番号 |
24510054
|
研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
箕浦 一哉 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (10331563)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | サウンドスケープ / マネジメント / 社会的文脈 / 地場産業 / 国際研究者交流 / オランダ |
研究実績の概要 |
本研究は,良好な地域な地域音環境を保全するためのマネジメント手法について,騒音暴露の物理量だけでなく,住民が地域生活を通じて共有してきた社会的文脈を重視して考察することを目的とするものである。この目的のもとに平成26年度は主に以下の事項を実施した。 ・事例調査の実施・分析・成果報告:京都府京都市の絹織物産業地域を事例としたフィールド調査を継続して実施するとともに,これまでの調査結果の分析と取りまとめを行った。このうち,調査地区で1960年代に実施された音環境教育に関する論考を国際学会で報告した。また,オランダ・フローニンゲンにおいて,中心市街地における学生による騒音についての住民の受容をテーマとした聞き取り調査を実施した。そのほかに,山梨県北杜市内で行われている景観保全活動への住民参加に関する論考を論文として発表した。 ・音環境マネジメントに関する検討:音環境のマネジメントに関連する社会的・学術的動向について,文献および研究会等への参加により,情報の収集・整理・検討をおこなった。とくに欧州を中心とした研究と政策の動向について検討した。また,景観マネジメント,環境社会学等の関連分野の情報収集をおこなった。 ・地域音環境に関する住民意識の分析:過去の地場産業地域等で実施した自由記述式質問紙調査結果のデータについて,テキストマイニングソフトウェアを利用した分析を実施し,分析方法の検討を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究が目的とする地域住民の言説の分析はおおむね順調に進んだが,26年度に実施した調査結果の発表先として27年6月に開催される国際学会での発表が適切であると判断されたことから,26年度に使用する予定であった予算の一部の執行を保留し,補助事業期間を延長した。その状況に合わせて,26年度中に実施予定だった作業の一部を次年度に延長した。
|
今後の研究の推進方策 |
現地調査および文献調査で得られたデータを整理し,現場での社会的文脈が音環境に関する住民意識にどのような影響を与えているのかを検討する。具体的には,京都市の絹織物産業地域,オランダ・フローニンゲン等における事例調査結果を用いて,地域に特徴的な音源を特定の社会的文脈において住民がどのように受容するかについて分析する。また,地域音環境マネジメントに関する学術的・政策的な動向を整理し,社会的文脈を考慮した音環境マネジメントのあり方について考察する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に実施した調査結果の発表先として平成27年6月に開催される国際学会(EuroNoise2015)が適切であると判断されたことから,26年度に使用するする予定であった予算の一部の執行を保留した。
|
次年度使用額の使用計画 |
オランダ・マーストリヒトで開催される国際学会(EuroNoise2015)に参加し,併せてフローニンゲンで共同研究者との打ち合わせとフィールド調査を実施するための旅費および学会参加費に使用する。そのほかに,分析に使用するソフトウェアの保守契約料に使用する。
|