研究課題/領域番号 |
24510059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
近藤 康之 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80313584)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 産業連関 / 可視化 / 構造経路解析(SPA) / サンキー図 |
研究概要 |
本研究課題では、とくにわが国と中国をはじめとしたアジア地域におけるCO2排出量の効果的削減に向けて具体的な支援策を提言するために、方法論の開発と実証分析を行うことを目的としている。より具体的には、産業連関分析の理論とライフサイクル分析のための可視化ツールを融合した、新しいフロー可視化手法の開発を行うこととしている。また、開発した可視化手法を、乗用車などの日本およびアジア地域において重要な製品のサプライチェーンについての実証分析に応用し、「地域間での相互依存関係」「産業間での相互依存関係」「ライフサイクルCO2排出量の削減にとって鍵となる産業連携」を明らかにすることを目的としている。このように、手法開発とその応用を目的としているが、今年度はとくに手法開発を中心に研究を実施した。 本研究課題における手法開発は、(1)サプライチェーンを把握するための数理モデルの構築、(2)数理モデルに基づいて産業連関表を分解するための諸条件の策定、(3)分解結果に基づく可視化(作図)から構成される。今年度は、当初計画の通り(1)を完成した。構築した数理モデルは、産業連関分析における構造経路解析(structural path analysis, SPA)として知られる分析手法を拡張したものであり、産業部門間フローをあらわす産業連関表を構造経路に基づいて分解する手法の理論的基礎を与えるものである。また、(2)産業連関表を分解するための諸条件として、図のかたちで可視化される部分のカバレッジをあらわす指標を自然なかたちで定義できる条件を優先して検討した。さらに、(3)可視化(作図)用計算機プログラムの構築に必要なサブルーチンの作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数理モデル構築、応用のための諸条件の検討、および可視化(作図)のためのソフトウェア開発のいずれに関しても、概ね計画通りに遂行し、進展した。
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今後の研究の推進方策 |
構築した数理モデルを応用するための諸条件の検討を計画通り継続すると同時に、可視化(作図)のためのソフトウェア開発をさらに遂行する計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は今年度直接経費合計の約0.2%であり、今年度と次年度の使用計画に大きな変更を必要としないと考えられたため、次年度に使用させていただくこととした。
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