研究課題/領域番号 |
24510059
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
近藤 康之 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80313584)
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キーワード | 産業連関 / 可視化 / 構造経路解析(SPA) / サンキー図 |
研究概要 |
本研究課題では、とくに我が国と中国をはじめとしたアジア地域におけるCO2排出量の効果的削減に向けて具体的な支援策を提言するために、方法論の開発と実証分析を行うことを目的としている。より具体的には、産業連関分析の理論とライフサイクル分析のための可視化ツールを融合した、新しいフロー可視化手法の開発を行うこととしている。また、開発した可視化手法を乗用車などの日本およびアジア地域において重要な製品のサプライチェーンについての実証分析に応用し、「地域間での相互依存関係」「産業間での相互依存関係」「ライフサイクルCO2排出量の削減にとってカギとなる産業連携」を明らかにすることを目的としている。このように、手法開発とその応用を目的としているが、今年度は応用分析を実施しつつ、手法開発における課題抽出を実施した。 本研究課題における手法開発は、(1)サプライチェーンを把握するための数理モデルの構築、(2)数理モデルに基づいて産業連関表を分解するための諸条件の策定、(3)分解結果に基づく可視化(作図)から構成される。昨年度までに(1)を完成させ、(2)および(3)を部分的に実施済みであった。そこで、まず昨年度までに開発した手法を、国際産業連関表データ(World Input-Output Database, WIOD)に適用して、各国の家計消費を支えるサプライチェーンを、それに付随する温室効果ガス(GHG)排出量に基づいて定量評価し、サンキー図のかたちで可視化した。その結果、図に描かれない部分との整合性を考慮することなどが、手法開発のための課題として抽出された。作図に関しては、市販されている汎用ソフトウェアを用いた場合に生じる不具合等を検討し、独自に開発を進めている可視化ツールに反映させるべき課題として抽出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
手法開発と応用分析のいずれに関しても、概ね計画通りに遂行し、進展した。
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今後の研究の推進方策 |
開発した手法の国際産業連関表データへの適用を通して、さらに手法を改善しつつ、結果の描画に必要な可視化(作図)ツールの開発を遂行する計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
学会出張の計画を変更したことにより、経費が削減されたため。 成果発表のために予定している学会出張と英文校閲のための経費として使用させていただく計画である。
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