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2013 年度 実施状況報告書

放射線照射によって概日リズム関連遺伝子発現が変化するメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24510062
研究機関東北大学

研究代表者

上原 芳彦  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30223499)

キーワード概日リズム / 遺伝子発現 / 放射線
研究概要

放射線被ばくによる障害の代表的なものとして発癌があげられる。一方、生物は24時間周期の概日時計を持っており、その周期の乱れが発癌に関与していることも明らかにされている。また、放射線照射により概日リズムが変化することも報告されてはいるがその詳しいメカニズムについては分かっていない。本研究では、マウス肝臓における網羅的な発現解析により概日的に発現が変動する遺伝子の中から放射線照射によってその発現が変動するものを選択し、それらの中からsiRNAを用いた解析によって概日発現の変化に主要な役割を果たしている遺伝子を見つけ出し、放射線照射によって概日遺伝子発現が変動するメカニズムの解明を目指す。昨年度は概日的に発現が変動する遺伝子群の中で放射線照射によりその発現リズムが変化する遺伝子を以下のような方法で選別した。12 時間明期(7-19 時)、12 時間暗期(19-7 時)の環境で2 週間飼育した7~8週齢雄マウスに、明期が始まってから6時間後の概日6時(午後1時)にX 線全身照射(4Gy)を行う。照射後概日12 時(午後7 時)から継続的な暗期状態で48 時間飼育し、照射後3 日目の概日0 時(午前7 時)、概日6 時(午後13 時)、概日12 時(午後18 時)、概日18 時(午前1 時)にマウスを屠殺、採取した肝臓よりRNA を抽出し、Affimetrix Mouse Genome 430 2.0 アレイを用いて網羅的な発現解析を行った。本年度は、前年度の解析結果を検討していくつかの候補遺伝子を選択し、その確認作業を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

前年度は、当初の計画通りに概日的に発現が変動する遺伝子群の中で放射線照射によりその発現リズムが変化する遺伝子をマイクロアレイを用いた網羅的な発現解析を行った。その結果、多くの候補遺伝子を選び出す事ができた。今年度はそれらの候補遺伝子の中からより可能性の高い遺伝子を絞り込む作業をおこなったが、教室の大改装等の事情により予定していたように実験を進める事ができなかった。

今後の研究の推進方策

今後の実験計画は、マイクロアレイ解析によって選別した、放射線照射による概日リズム発現の変動を制御している可能性のある遺伝子の発現レベルをsiRNA によって低下させ、放射線による概日リズム変動に中心的な役割を担っている遺伝子を以下のような方法で明らかにしたい。
概日リズムに中心的な役割を果たしているPer のプロモーターにレポーターとしてルシフェラーゼ遺伝子をつないだものを培養細胞内で発現させ、発現リズム同調薬剤処理後、経時的にルシフェラーゼの発現をモニターすると、放射線照射によりその発現周期が短くなることが報告されている。そこで、マイクロアレイ解析によって選別した遺伝子の中で、概日リズムにとってより中心的な役割を持つことが予想される遺伝子についてsiRNA を細胞内で一過的に発現させ、放射線照射によるPer のプロモーターの発現周期の変化が消失しないかどうかを明らかにしたい。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、当初計画していた候補遺伝子の中から概日リズム発現制御遺伝子を絞り込む作業を次年度に延期することにより生じた。
次年度以降に実施する、候補遺伝子の中から概日リズム発現制御遺伝子を絞り込む作業に必要な経費として平成26年度請求額とあわせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 低線量率長期照射によるマウス肝臓での遺伝子発現変化の経時的解析2013

    • 著者名/発表者名
      上原芳彦、王冰、中島徹夫、根井充、中村慎吾、田中聡、一戸一晃、田中公夫、松本恒弥、小木曽洋一、小野哲也、細井義夫
    • 学会等名
      第51回日本放射線腫瘍学会生物部会学術大会
    • 発表場所
      東北大学艮陵会館
    • 年月日
      20130705-20130706

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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