研究課題
放射線被ばくによる障害の代表的なものとして発癌があげられる。一方、生物は24時間周期の概日時計を持っており、その周期の乱れが発癌に関与していることも明らかにされている。また、放射線照射により概日リズムが変化することも報告されてはいるがその詳しいメカニズムについては分かっていない。本研究では、マウス肝臓における網羅的な発現解析により概日的に発現が変動する遺伝子の中から放射線照射によってその発現が変動するものを選択し、それらの中からsiRNAを用いた解析によって概日発現の変化に主要な役割を果たしている遺伝子を見つけ出し、放射線照射によって概日遺伝子発現が変動するメカニズムの解明を目指す。昨年度までに、概日的に発現が変動する遺伝子群の中で放射線照射によりその発現リズムが変化する遺伝子を以下のような方法で選別した。12時間明期(7-19時)、12時間暗期(19-7時)の環境で2週間飼育した7~8週齢雄マウスに、明期が始まってから6時間後の概日6時(午後1時)にX線全身照射(4Gy)を行う。照射後概日12時(午後7時)から継続的な暗期状態で48時間飼育し、照射後3日目の概日0時(午前7時)、概日6時(午後1時)、概日12時(午後7時)、概日18時(午前1時)にマウスを屠殺、採取した肝臓よりRNAを 抽出し、Affimetrix Mouse Genome 430 2.0 アレイを用いて網羅的な発現解析を行うことにより、約300個の遺伝子を選別した。本年度は、それらの遺伝子の機能アノテーション解析を行って候補遺伝子の絞り込みを行い、培養細胞の概日リズム変動にそれらの遺伝子が及ぼす影響の確認実験を前年度に引き続き行った。
すべて 2015
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Gastric Cancer
巻: 18 ページ: 774-783
10.1007/s10120-014-0434-3