がん細胞は均一な集団ではなく、自己複製能と腫瘍形成能を併せ持つ細胞群、がん幹細胞が存在する。がん幹細胞は放射線に耐性を示し、治療後のがんの再発の原因となる。我々は、ヒト肝がん細胞株HepG2を分割照射し、放射線耐性のがん幹細胞を濃縮した。このがん幹細胞は、5GyのX線照射で細胞の生存シグナルAKTが活性化され、細胞死は誘導されなかった。一方、親株HepG2細胞では、同様の照射で細胞死が誘導された。がん幹細胞のAKTの活性化が放射線耐性に関与するかどうかを検討し、AKT 阻害剤と放射線の併用で、がん幹細胞の放射線耐性は抑制されることを in vitroとin vivo両方の解析で明らかにした。
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