研究課題/領域番号 |
24510070
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 晃弘 京都大学, 放射線生物研究センター, 研究員 (70423051)
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キーワード | DNA修復 / DNA二重鎖切断 / NBS1 / ナイミーヘン症候群 |
研究概要 |
本研究はDNA二重鎖切断修復で重要な役割を担うタンパク質であるNBS1の機能に注目した研究である。DNA二重鎖切断修復は相同組換えと非相同末端結合の二つの経路によって修復される。NBS1が相同組換え経路で必要とされる事はすでに広く知られており、詳細な解析も進んでいる。一方で、非相同末端結合経路についてはNBS1が必要であるとする研究報告もあるが、詳細については不明である。本研究では非相同末端結合とNBS1との関わりについて解析を進めるため、新規NBS1結合タンパク質の探索・同定を出発点としてそのタンパク質の機能解析と分子レベルでのNBS1との関係を調べる計画である。初年度はNBS1結合タンパク質探索系を確立するため、FLAG標識NBS1の高発現方法、免疫沈降法によるFLAG標識NBS1とそれに結合するタンパク質の分離・濃縮方法の改善/改良を重ねることで、非特異的な結合を減らし特異的な結合を増加させたNBS1結合タンパク質分離法を確立させた。最終年度では、初年度に確立した方法で分離したNBS1結合タンパク質を質量分析により同定した。同定したタンパク質の一つ(タンパク質X)について、ウエスタンブロット法による確認も行い、確かにNBS1と結合しているということが確認された。また、このタンパク質がDNA二重鎖切断部位に集積することも確認され、タンパク質XとNBS1がDNA二重鎖切断部位で協調して働く事が示唆された。タンパク質XとNBS1との結合はこれまでに報告の無いものであり、新規性の高い重要な成果と言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の出発点となる新規NBS1結合タンパク質の同定が達成された。次のステップとしてそのタンパク質がDNA二重鎖切断修復で機能するかどうかがポイントであるが、細胞内でのタンパク質局在変化の解析が当初計画通りに進み、DNA二重鎖切断部位に集積する事が確認できた。従ってこのタンパク質の機能解析を進める事で当初の計画が達成できると期待され、おおむね順調に進行していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
研究はおおむね計画通りに進行しているので、当初の計画通りに研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験の進行状況にから当初当該年度に必要であると思われた試薬の購入を控えたために生じた。 研究の推進に必要な試薬を必要なタイミングで購入するために使用する。
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