• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

非相同末端結合におけるNBS1の分子機能と染色体不安定化のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 24510070
研究機関京都大学

研究代表者

加藤 晃弘  京都大学, 放射線生物研究センター, 研究員 (70423051)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードNBS1 / ナイミーヘン症候群 / DNA二重鎖切断 / DNA修復
研究実績の概要

染色体不安定性症候群の一つであるナイミーヘン症候群はNBS1遺伝子の変異によって発症するまれな遺伝病である。染色体不安定性はDNA損傷などによって生じるため、DNA修復は染色体安定化において重要な機能である。NBS1はDNA二重鎖切断修復の主要な経路の一つである相同組換え (HR) に必要とされることがわかっていたが、もう一つの主要な修復経路である非相同末端結合 (NHEJ) での機能は不明であった。本研究の目的はNHEJでのNBS1の分子機能を解明することであり、そのためにNBS1と相互作用するタンパク質の解析を行った。本年度は既知のNHEJタンパク質との結合を免疫沈降法により調べたが、野生型NBS1とNHEJ機能を失ったNBS1変異体との間で違いが見られるタンパク質は見つからなかった。この結果は、NHEJにおけるNBS1の機能が既知のタンパク質との相互作用によって発揮されるものではなく、未知のメカニズムにより発揮されているという可能性を示唆している。実際に、前年度までに確立したNBS1結合タンパク質探索実験系で新規タンパク質が見つかっている。また、HR機能を保持したままでNHEJ機能を失わせたNBS1変異細胞を作製し放射線感受性を調べた結果、この変異細胞が放射線高感受性を示すことが明らかとなった。この結果は、ナイミーヘン症候群患者細胞がなぜ放射線高感受性を示すのかという長年の謎に一つの答えを提示するものである。研究期間を通じて、NBS1がNHEJに関与すること、NHEJに必要とされる機能ドメインがHRには関与しないもののその機能欠損だけで放射線高感受性になること、この機能ドメインは既知のNHEJタンパク質との結合ドメインではないことを示し、新たな候補タンパク質との結合を見出した。これらの結果はDNA二重鎖切断修復機構の新たな側面を明らかにしたものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 相同組換え修復と損傷乗越えDNA合成におけるNBS1蛋白の役割2014

    • 著者名/発表者名
      小松賢志、加藤晃弘、柳原啓見、斎藤裕一朗、周慧、小林純也
    • 学会等名
      第37回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-11-25
    • 招待講演
  • [学会発表] DNA二重鎖切断応答におけるNBS1の新たな機能2014

    • 著者名/発表者名
      加藤晃弘、柳原啓見、小松賢志
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第57回大会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      2014-10-01 – 2014-10-03
  • [学会発表] NBS1蛋白C末側ドメインとDNA損傷応答における役割2014

    • 著者名/発表者名
      小松賢志、加藤晃弘、柳原啓見、斎藤裕一朗、周慧、小林純也
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第57回大会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      2014-10-01
    • 招待講演
  • [学会発表] NBS1 plays a role in UV damage response through physical interaction with RAD18.2014

    • 著者名/発表者名
      A Kato, H Yanagihara, J Kobayashi, Y Saito, D Oliveira, C Weemaes, and K Komatsu
    • 学会等名
      ZING Conferences DNA Polymerases
    • 発表場所
      ケンブリッジ(イギリス)
    • 年月日
      2014-08-31 – 2014-09-03
  • [学会発表] Connection between MRN complex and RAD51 in homologous recombination.2014

    • 著者名/発表者名
      Akihiro Kato and Kenshi Komatsu
    • 学会等名
      Mechanisms of Recombination: 50th Anniversary Meeting of the Holliday Model
    • 発表場所
      アリカンテ(スペイン)
    • 年月日
      2014-05-19 – 2014-05-23

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi