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2012 年度 実施状況報告書

富士火山帯に堆積する福島第一原子力発電所由来の放射性核種の三次元分布測定

研究課題

研究課題/領域番号 24510074
研究種目

基盤研究(C)

研究機関尚絅学院大学

研究代表者

齊藤 敬  尚絅学院大学, 総合人間科学部, 准教授 (00343616)

研究分担者 小池 裕也  明治大学, 理工学部, 講師 (50360186)
栗原 雄一  明治大学, 理工学部, 講師 (00445842)
山本 仁  大阪大学, 安全衛生管理部, 教授 (20222383)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード放射性セシウム / 富士山 / 環境放射能 / 福島第一原子力発電所 / ガンマ線スペクトロメトリー
研究概要

本研究は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により大気中に放出された放射性核種を含んだ気塊(プルーム)の移動・沈降に関する情報を三次元的に実測し、放射性物質の拡散状態について推定することを目的としている。
富士山および富士火山帯の土壌(火成岩)を、平面及び高さの情報を包含した形でサンプリングし、原子力発電所の事故由来の放射能を測定することより、従来の土壌の放射能測定のみでは得ることができなかった、放射性核種を含んだプルームの三次元分布を、実測レベルで知ることができるものと考えられる。
平成24年度は富士山の御殿場ルートおよび伊豆大島のサンプリングと放射性セシウムの測定を行った。まずは、サンプリング地点の緯度、経度、高度をGPSで、空間線量率をサーベイメータで測定し、その後土壌を5cmの深さまで採取した。その後試料を研究室に持ち帰り、ガンマ線スペクトロメトリーで放射性セシウムCs-134とCs-137の605keVおよび662keVのガンマ線をそれぞれ測定し、放射性セシウムの沈着量の定量を行った。
測定の結果、富士山、伊豆大島ともに福島第一原子力発電所の事故由来の放射性セシウムが確認された。富士山では高度2500mより低い高度で放射性セシウムが観察されはじめ、1800m以下ではCs-134、Cs-137ともに放射能濃度が高くなった。伊豆大島では、放射性セシウムは北東の海岸線沿いおよび三原山山頂に集中していることが明らかになった。これより、福島第一原子力発電所事故由来の放射性プルームの拡散状況に関する三次元的実測データの一部を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度に予定していたサンプリングは予定通り実施した。また、ガンマ線スペクトロメトリーに関しても東京大学および明治大学で分担し順調に進行していたが、平成24年11月からは尚絅学院大学でも測定が可能となり、当初より早く測定を完了できた。現在、データの解析において、一部の試料で再測定・検算が残っているが、今年度の分はほぼまとまり、成果の一部を学会で発表をするために準備中である。

今後の研究の推進方策

平成24年度に引き続き、平成25年度は富士山1ルート(吉田口ルートを予定)と三宅島雄山のサンプリングを行い、平成24年度同様にガンマ線測定を行う。また、これまでの研究により得られた測定データとシミュレーションのデータとを照らし合わせ放射性プルームの拡散状況をより詳細に調べる。
さらに平成25年9月に開催される国際会議(APSORC2013)でこれらの成果の一部の発表を予定している。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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