研究課題/領域番号 |
24510074
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研究機関 | 尚絅学院大学 |
研究代表者 |
齊藤 敬 尚絅学院大学, 総合人間科学部, 准教授 (00343616)
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研究分担者 |
小池 裕也 明治大学, 理工学部, 講師 (50360186)
栗原 雄一 明治大学, 理工学部, 講師 (00445842)
山本 仁 大阪大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20222383)
高橋 賢臣 大阪大学, 学内共同利用施設等, 講師 (20445844)
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キーワード | 放射性セシウム / 富士山 / 環境放射能 / 福島第一原子力発電所 / ガンマ線スペクトロメトリー / 三宅島 |
研究概要 |
本研究は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により大気中に放出された放射性核種を含んだ気塊(プルーム)の移動・沈降に関す る情報を三次元的に実測し、放射性物質の拡散状態について推定することを目的としている。 富士山および富士火山帯の土壌(火成岩)を、平面及び高さの情報を包含した形でサンプリングし、原子力発電所の事故由来の放射能 を測定することより、従来の土壌の放射能測定のみでは得ることができなかった、放射性核種を含んだプルームの三次元分布を、実測 レベルで知ることができるものと考えられる。 平成25年度は富士山の吉田ルートおよび三宅島のサンプリングと放射性セシウムの測定を行った。まずは、サンプリング地点 の緯度、経度、高度をGPSで、空間線量率をサーベイメータで測定し、その後土壌を5cmの深さまで採取した。その後試料を研究室に持 ち帰り、ガンマ線スペクトロメトリーで放射性セシウムCs-134とCs-137の605keVおよび662keVのガンマ線をそれぞれ測定し、放射性セ シウムの沈着量の定量を行った。 測定の結果、富士山、三宅島ともに福島第一原子力発電所の事故由来の放射性セシウムが確認された。富士山では高度2500mより 低い高度で放射性セシウムが観察されはじめた。また御殿場ルートよりも全体的に放射能濃度は低い傾向にあった。三宅島の測定は現在も測定中である。これより、福島第一原子力発電所事故由来の放 射性プルームの拡散状況に関する三次元的実測データの一部を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に予定していたサンプリングは予定通り実施できた。しかし、試料の放射能が低いものが多かったことと、東京大学での測定が施設工事の関係でできなかったため、測定が若干遅れ気味であるが予測の範囲内である。次年度のサンプリングおよび測定の順番を工夫することにより、予定通り研究は遂行できるものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年25年度に引き続きサンプリングおよびガンマ測定を行う。富士山に関しては、これまでの結果から登山道に沿ってサンプリングをする必要はないと考えられるので、データをまとめた上で必要な箇所のサンプルをピンポイントで採取する。また、これまでの測定の結果伊豆大島の測定場所を増やした方が、より高精度の測定ができると予測されるため、伊豆大島にて再びサンプリングを行う予定である。 これらの結果は、平成26年9月に開催される日本放射化学会等で発表を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度のサンプリングは、サンプリングに行く人数が予定より少なかったため、レンタカーの台数および登山用具のレンタルに必要な経費、旅費が予定より少ない状態で研究を遂行できたため。 次年度のサンプリングは研究機関最終年であり、サンプリングにかける日数および人数をふやして研究を行う予定である。そのため本年度より旅費の使用額が増える可能性が高いため、次年度使用額をそのまま旅費として使用する予定である。
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