研究課題/領域番号 |
24510076
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
田中 敦 独立行政法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 主任研究員 (80171734)
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キーワード | 霞ヶ浦 / 底質 / 放射性セシウム |
研究概要 |
原発事故により局所的に高線量となった地域から水系を通じて湖沼等への放射性物質の流入が起きているが、水道、農業、漁業など多目的に利用されている湖沼が下流域にある場合、湖沼を除染放射性物質のリザーバーと単純に位置づけることには問題がある。本研究では、原発事故直後の4月から開始した霞ヶ浦底質放射能測定を拡張し、水面下にあって遠隔的な計測法では観測できない湖底での放射性セシウムのマッピングと動態解析を行う。 2013年9月に霞ヶ浦全域1分メッシュで76地点の底質試料を採取し、湖底の放射性セシウムのマッピングを行った。前回の2012年12月に行った調査と比較して、全体として底泥の深部に放射性セシウムがもぐり込んでいた。また、湖西部や河口域の放射性セシウムの濃集傾向は解消されつつあり、湖底での鉛直・水平方向の移動により、汚染が平均化されつつある傾向が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間にわたり毎年、湖沼全域の底質に対して放射性セシウムマッピングを行う計画を予定通り実施しているため。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度についても、2年次と同一地点で霞ヶ浦全域の放射性セシウムのマッピングを行うとともに、蓄積量の変化や流入、生態系各種試料中の濃度等との比較解析について総括を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品として執行した金額にわずかに差額が生じたため。 次年度執行予定の人件費・交通費の増額分に充当する予定である。
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