抗アンドロゲン剤のフルタミドによる尿道下裂ラットモデルを作製し、胎生期および出生後における外性器発達を追究した。尿道下裂は出生日には生じておらず、その形成は40日齢以降で、生後10日齢の去勢により抑制された。去勢後のテストステロン処理は外性器の雄化を引き起こし、尿道下裂を引き起こした。 以上の結果からラットにおける妊娠中のフルタミド処理が胎生期の生殖突起の雌性化を誘導し、春期発動期以降に精巣から分泌される雄性ホルモンにより外部生殖器が雄化し、尿道下裂が生じることを示しており、ラットにおける妊娠中のフルタミド処理による尿道下裂発生に雄性ホルモンが重要な役割を持つことが明らかになった。
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