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2012 年度 実施状況報告書

ツメガエル視床下部―下垂体―副腎及び甲状腺軸かく乱の作用機序と試験評価系の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24510083
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

鈴木 賢一  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 特任助教 (90363043)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードツメガエル / 甲状腺ホルモン / グルココルチコイド / 脳
研究概要

本申請課題は、化学物質が視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸及び視床下部-下垂体-甲状腺(HPT)軸に及ぼす影響の作用機序を分子レベルで明らかにし、内分泌かく乱作用の試験評価システムを確立することが目的である。HPA及びHPT軸において中心的な役割を果たす遺伝子群に注目し、モデル動物としてニシツメガエル(Xenopus (Silurana) tropicalis)を用いて研究を遂行する。本年度は以下の研究内容を得た。①ニシツメガエルトランスジェニック動物の作製:甲状腺ホルモン及びグルココルチコイドに応答しレポーター遺伝子(GFP及びルシフェラーゼ)を発現するレポーターコンストラクト及びその導入(トランスジェネシス)を行った。②ニシツメガエル幼生における甲状腺ホルモン応答遺伝子の同定:ニシツメガエルゲノムデータを用いたインシリコ解析により、核内受容体が直接制御する遺伝子群を予測した。さらに、甲状腺ホルモン合成阻害剤存在下でT3に暴露した幼生からtotal RNAを調整し、そのトランスクリプトームを解析した。既知の甲状腺ホルモン応答遺伝子に加え、甲状腺ホルモンの代謝に関連する遺伝子等を含む新規の応答遺伝子を多数同定した。これら同定した遺伝子は甲状腺及び副腎軸かく乱の作用解明や評価をする上で重要な遺伝子となることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度8月に愛媛大学から広島大学への転出があり、転出入の準備作業や、転出先の広島大学における研究環境のセットアップにも時間がかかった。以上の諸事情により、研究計画の一部は遅れているが、おおむね順調である。

今後の研究の推進方策

本年度は研究環境も整い、研究計画達成のために努力したい。当該研究に重要なトランスジェニックツメガエルラインの樹立を行う。対象化学物質(PPCPs)の候補として合成グルココルチコイド及びその関連物質の影響を評価する予定である。標的器官として、脳、下垂体、視床下部に加え、甲状腺ホルモンの恒常性に重要な肝臓を解析する。甲状腺軸及び下垂体軸をかく乱する分子機構を明らかにするため、幼生期や変態期における甲状腺ホルモン応答遺伝子の詳細な解析も行う予定である。また、脳におけるエピゲノム修飾への影響を調査するため、次世代シークエンス技術を取り入れた解析も取り入れる予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度の研究費は、上記の研究遂行に必要な分子生物学用試薬やツメガエルの飼育に必要な消耗品購入に使用する。また、得られた成果を発表するための旅費及び論文投稿料に用いる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 無尾両生類の変態研究の展望

    • 著者名/発表者名
      鈴木賢一
    • 学会等名
      第83回日本動物学会大阪大会シンポジウム
    • 発表場所
      大阪大学豊中キャンパス
  • [学会発表] Effects of amiodarone, thyroid hormone-like chemicals on amphibian metamorphosis

    • 著者名/発表者名
      佐能正剛, 柏木啓子, 花田秀樹, 松原加奈, 川畑公平, 中村直樹, 鈴木賢一,山本 卓, 新海 正, 藤本成明, 杉原数美, 北村繁幸, 柏木昭彦, 太田 茂
    • 学会等名
      第15回環境ホルモン学会研究発表会
    • 発表場所
      東京大学本郷キャンパス

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公開日: 2014-07-24  

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