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2013 年度 実施状況報告書

ツメガエル視床下部―下垂体―副腎及び甲状腺軸かく乱の作用機序と試験評価系の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24510083
研究機関広島大学

研究代表者

鈴木 賢一  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 特任講師 (90363043)

キーワードツメガエル / 変態 / 甲状腺軸 / 副腎軸 / 甲状腺かく乱物質 / トランスジェニック
研究概要

本申請課題は、化学物質が視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸及び視床下部-下垂体-甲状腺(HPT)軸に及ぼす影響の作用機序を分子レベルで明らかにし、内分泌かく乱作用の試験評価システムを確立することが目的である。HPA及びHPT軸において中心的な役割を果たす遺伝子群に注目し、モデル動物としてツメガエル二種、Xenopus(Silurana) tropicalis及びXenopus laevisを用いて研究を遂行した。本年度は以下の研究内容を得た。①ツメガエル変態アッセイを用いた化学物質の甲状腺かく乱作用評価:甲状腺ホルモン合成阻害剤であるメチマゾール、強力なアゴニストであるTRIAC、PPCPsの候補である医薬品Aや臭素系難燃剤Bをtropicalis幼生やlaevisトランスジェニック幼生に暴露し、さまざまエンドポイントで評価した。これにより、甲状腺かく乱作用評価のプロトコール確立のための諸条件を検討することができた。②新たなトランスジェニックツメガエルの作製:化学物質のエピジェネティクスへの影響を評価するため、ヒストン修飾の変動をin vivoで可視化することが可能なトランスジェニックツメガエルを作製した。③HPT軸かく乱評価の分子マーカーの選定:昨年から行っているマイクロアレイ解析により同定した甲状腺ホルモン応答遺伝子の化学物質(甲状腺ホルモン受容体アゴニストや臭素系難燃剤B)に対する影響を解析した。これまで知られている応答遺伝子に加え、炎症や造血に重要な遺伝子が影響を受ける可能性が示唆された。以上の成果は、甲状腺かく乱による生体影響を評価する上で重要な知見やマーカーとなることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

変態阻害をエンドポイントとした甲状腺かく乱作用物質の評価法を立ち上げることができた。昨年度からの続きの甲状腺ホルモン応答遺伝子を新たに複数同定することもでき、これらの遺伝子群は化学物質の種類により異なる応答を示すことから、甲状腺ホルモンシグナリングの複雑なパスウェイの存在を示唆することができた。また、化学物質のエピジェネティクスに対する影響を評価するためのトランスジェニックツメガエルも作製にも成功した。得られた知見は、甲状腺軸かく乱評価に重要である。一部の計画を除いて、おおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

最終年度は、化学物質によるHPT及びHPA軸のかく乱のメカニズムを分子レベルで明らかにし、それらの知見を生かした、ツメガエルを用いた環境化学物質の生体影響評価法を構築することを目指す。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ゲノム編集技術を用いた個体レベルの機能解析:ツメガエルを例に2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木賢一、佐久間哲史、山本卓
    • 雑誌名

      比較内分泌学

      巻: 40(151) ページ: 35-36

    • DOI

      10.5983/nl2008jsce.40.35

    • 査読あり
  • [学会発表] ネッタイツメガエル肝臓におけるCytochrome P450のオミックス解析

    • 著者名/発表者名
      鈴木賢一
    • 学会等名
      第84回日本動物学会年会シンポジウム
    • 発表場所
      岡山市、岡山大学
  • [学会発表] ツメガエル変態における甲状腺ホルモン受容体やその標的遺伝子の特徴

    • 著者名/発表者名
      鈴木賢一、山本卓、柏木昭彦
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会WS
    • 発表場所
      神戸国際会議場、神戸市
  • [学会発表] 無尾両生類のメタモルフォーゼにおける肝臓代謝酵素群の変化

    • 著者名/発表者名
      鈴木賢一、中の三弥子、Daniel R Buchholz、岩田久人、柏木啓子、山本卓、柏木昭彦
    • 学会等名
      NGS現場会・第三回研究会
    • 発表場所
      神戸国際会議場、神戸市
  • [学会発表] Proteomic analysis of liver microsomes in X. tropicalis

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi T. Suzuki, Miyoko Nakano, Miho Watabe, Yasuaki Fukuta, Hisato Iwata
    • 学会等名
      The 12th Human Proteome Organisation World Congress
    • 発表場所
      パシフィコ横浜、横浜市
  • [図書] Frogs: Genetic Diversity, Neural Development and Environmental Influences:Suppression of anuran metamorphosis by synthetic chemicals.2014

    • 著者名/発表者名
      Hanada ,H., Kashiwagi, K., Suzuki, K., Yamamoto, T. and Kashiwagi, A.
    • 総ページ数
      in press
    • 出版者
      NOVA

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公開日: 2015-05-28  

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