廃電池や廃プラスチックを再資源化する際、フッ素や塩素等のハロゲン元素が放出されると、設備腐食や有害物質生成の問題を引き起こす可能性がある。本研究ではハロゲン元素無害化処理を目標に、固液共存の不均一酸化物中へ塩素が溶解する機構を解明した。 酸化物が均一液相の場合、CaO濃度が高いほど塩素は溶解したが、これは文献値の傾向と一致していた。一方、包接化合物と呼ばれる特殊な構造を持つ化合物が生成されると、塩素の溶解が著しく促進されることを見出した。溶体モデルを適用して化学熱力学的に解析したところ、包接化合物への塩素置換反応は極めて進行しやすいことが分かった。
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