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2014 年度 実績報告書

新規生分解性バイオポリエステル設計のための関連酵素の構造―機能研究

研究課題

研究課題/領域番号 24510114
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

久野 玉雄  独立行政法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 専任研究員 (20312267)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード環境調和型材料 / 生分解性 / バイオポリエステル / 微生物酵素 / 構造と機能
研究実績の概要

ポリヒドロキシブタン酸は微生物によって作られまた分解される、R体3-ヒドロキシブタン酸をモノマーユニットとする水不溶性の生分解性脂肪族ポリエステルである。ポリヒドロキシブタン酸分解酵素はポリヒドロキシブタン酸をモノマーユニット単量体または二量体にまで加水分解する。多くのポリヒドロキシブタン酸分解酵素は触媒ドメイン、リンカードメイン、ポリマー結合ドメインの3つのドメインから成る。これまでに Ralstonia pickettii T1 由来酵素の結晶化、X線構造解析を行い、319残基から成る触媒ドメインの結晶構造を明らかにしている。触媒ドメインは α/β hydroase fold と呼ばれる構造的特徴を持ち、Ser-166, Asp-241, His-300が触媒部位を構成していた。本年度は本酵素のS166A変異体と4量体基質を用いて酵素ー基質複合体の構造を分解能 1.6 A において明らかにした。さらにこれまで不明であったリンカードメインの結晶構造も初めて明らかにした。4量体基質の連続した3量体部分のモデルを構築することができ、酵素のサブサイトS1、S2、S-1における結合様式を明らかにすることが出来た。酵素のサブサイトS2における結合様式は、すでに酵素―基質複合体の結晶構造を明らかにしている Penicilium funicullosum 由来酵素におけるそれとは大きく異なっていた。サブサイトS-1における結合様式は本研究成果によって初めて明らかにされた。リンカードメインの構造はバチルス属由来キチナーゼA1のフィブロネクチン・タイプ3様ドメインとよく似ていた。触媒ドメインとリンカードメインをつなぐ領域は非常にフレキシブルな運動性を持っていた。これらの成果は、ポリヒドロキシブタン酸分解酵素の機能改変を行う上で重要な情報であり、バイオポリエステル・エンジニアリングの発展に大きく寄与する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] ポリアスパラギン酸分解酵素の基質複合体の構造解析2014

    • 著者名/発表者名
      久野玉雄・平石知裕・南 皓介・桝田エリ子・阿部英喜・前田瑞夫・城 宜嗣
    • 学会等名
      日本結晶学会平成26年度年会
    • 発表場所
      東京大学弥生キャンパス
    • 年月日
      2014-11-01 – 2014-11-03
  • [学会発表] ポリアスパラギン酸分解酵素の結晶構造2014

    • 著者名/発表者名
      久野玉雄・平石知裕・南 皓介・桝田エリ子・阿部英喜・前田瑞夫・城 宜嗣
    • 学会等名
      第63回高分子討論会
    • 発表場所
      長崎大学文教キャンパス
    • 年月日
      2014-09-25
  • [学会発表] Enzymatic hydrolysis of the β-β amide linkage in poly-β-aspartate2014

    • 著者名/発表者名
      Tamao Hisano, Tomohiro Hiraishi, Kosuke Minami, Eriko Masuda, Hideki Abe, Mizuo Maeda, Yoshitsugu Shiro
    • 学会等名
      23rd Congress and General Assembly of the International Union of Crystallography
    • 発表場所
      Montreal, Canada
    • 年月日
      2014-08-06 – 2014-08-08

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公開日: 2016-06-01  

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