研究課題/領域番号 |
24510121
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
西東 力 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40402234)
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研究分担者 |
鳴海 一成 東洋大学, 生命科学部, 教授 (90343920) [辞退]
佐藤 勝也 独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (90370402)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | イオンビーム / ガンマ線 / 昆虫病原糸状菌 / 殺菌剤耐性 |
研究実績の概要 |
昆虫に寄生するカビ(昆虫病原糸状菌)は環境への負荷が少ない防除素材として古くから期待されており、そのいくつかは生物農薬として市販されている。しかし、昆虫病原糸状菌を使用すると、殺菌剤を散布しにくくなることから、昆虫病原糸状菌の農業現場への 普及ははかばかしくない。 本研究の目的は、量子ビーム(イオンビーム,ガンマ線)を用いた突然変異育種技術によって新機能(殺菌剤耐性)を有する昆虫病原糸状菌変異体(ボーベリア菌、イザリア菌)を創出し、その特性を解明することである。 研究最終年度(26年度)は、これまでに得られた殺菌剤(ベノミル剤)耐性変異体について、遺伝子の変異箇所を調べた。その結果、ボーベリア変異体ではβーtubulin遺伝子のコドン198に変異(gutamateからalanine)が認められた。コドン198の変異は、殺菌剤耐性の植物病原菌においても確認されている。一方、イザリア変異体ではβーtubulin遺伝子に変異が認められなかった。このことから、殺菌剤耐性のメカニズムは菌の種類によって異なると考えられた。、 なお、量子ビームの照射によって別の昆虫病原糸状菌(メタリジウム菌)に高温耐性(3℃)を付与することにも成功した。 本研究を通して、量子ビームによる突然変異育種は昆虫病原糸状菌の改良に利用できることがわかった。得られた変異体については、目的外の変異(とくに病原性)の有無を詳細に調べる必要がある。量子ビームによる突然変異の手法は、植物病原菌における殺菌剤耐性獲得のメカニズム解明にも役立つと考えられる。
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