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2012 年度 実施状況報告書

X線円形多層膜ゾーンプレートによる高フラックスpinkナノビームの生成

研究課題

研究課題/領域番号 24510125
研究種目

基盤研究(C)

研究機関兵庫県立大学

研究代表者

篭島 靖  兵庫県立大学, 物質理学研究科, 教授 (10224370)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードX線光学 / X線ナノビーム / X線顕微鏡
研究概要

平成24年度の研究では、NTTアドバンステクノロジ株式会社でX線集光用の円形多層膜ゾーンプレートの作製を行った。初回は、成膜装置、膜厚測定装置、研磨機の使用方法について学び、使用するための練習を行った。2回目以降は、マニュアルに従って、最外線幅が30ナノメートルの円形多層膜ゾーンプレートの作製に取り掛かった。主な作業の流れとしては、以下の通りである。まず、Coupled-Wave Theoryに基づく光学特性の計算プログラムを用いて、円形多層膜ゾーンプレートのパラメータを決定した。次に、直径2ミリメートルのガラス棒へ1時間MoSi2/Si多層膜の成膜を行い、段差計を用いて成膜量を測定し、成膜レートを算出した。ここで求めたレートを芯線への成膜レートとみなした。次に、スパッタリング装置へ成膜プログラムを転送し、寸法測定器で予め直径を測定しておいた芯線へMoSi2/Si多層膜を成膜した。こちらの作業はおよそ8時間~10時間かかることがわかった。次に、多層膜を成膜したファイバーの包埋作業を行った。ファイバーを粘土で固定し、直径1cmのアルミ筒をかぶせ、樹脂を流し込んだ。このまま8時間放置することで完全に固定される。次に、包埋したものを、精密切断機で1ミリメートルに切断し、予め計算しておいた適切な厚さまで研磨し、薄片化した。具体的な研磨過程は、面出し、粗研磨、中間研磨、仕上げ研磨である。この作業を表面、裏面の両方について行った。最後に、薄片化したものを測定できるように、補強作業を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の目的は、多層膜ゾーンプレートを作製し、SPring-8での集光特性評価を行うことであったが、作製が思うように進まず、完成には至らなかった。しかしながら、作業工程はこの一年でほぼ把握することができ、今後は作業がスムーズに進めることができると考えられるので、「やや遅れている」とした。

今後の研究の推進方策

今年度も引き続き、最外線幅が30ナノメートルの円形多層膜ゾーンプレートの作製を進める予定である。それに伴って、SPring-8での集光特性評価もあわせて行い、性能の確認を行う。また、電子顕微鏡を用いた膜の観察も行いたいと考えている。最外線幅が30ナノメートルで性能の良いものを作製することができた場合、さらに最外線幅を25ナノメートルまで狭めたゾーンプレートの作製を行う予定である。
現状では成膜に関しては問題なく行えているが、研磨作業において、2つの問題が生じている。1つ目は、望みの厚さに研磨することが非常に難しいことである。2つ目は、研磨の際に試料が割れてしまうことである。
1つ目の対応策としては、研磨台に試料を貼り付ける際に使用するワックスを均一に塗布することである。2つ目の対応策は、粗研磨で研磨する前に、両面を面出しでできるだけ平坦にしておくことで解決するのではないかと考えている。

次年度の研究費の使用計画

旅費に100万円、物品費に30万円の予定。次年度使用額(94,159円)は物品費に使用予定。

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公開日: 2014-07-24  

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